さて、ここまで数回にわたり、症状と思考についてのお話をしてきました。
今回は『人体の秘密の力で健康になる』というお話になります。
この考え方を知り実践することで、もしかすると難病や不治の病と言われていた病気でさえも、回復していくかもしれません。
これは、絵空事を言っているわけではありません。
私たちの身体には、私たちがまだまだ気が付いていないくらいの回復力があるからです。
ガン末期で病院から見放されて人が、プロレスラーの猪木さんが大好きだからと、猪木さんからの張り手をもらったら病気が治った
病院から見放された人が、残りの命は好きなことをやろうと思い、登山に熱中したら、病気が良くなった
余命3ヶ月と言われた人が、もう我慢するのはやめにして、今まで嫌な思いをしてきた人たちに心の丈を全部吐き捨てたら、病気はあるけど3年経っても健康的な生活ができるようになった
世の中には、たくさんの奇跡と思われる現象が起きています。
それは、特別な人だけができるものではなく、誰もができる奇跡なのです。
プラシーボ効果
私たちは癒しに関して、プラシーボ効果と言うものがあることを知っています。
プラシーボ効果と言うのは、例えば医者が「これはあなたの病気に効果がありますよ」と言いながら、砂糖をわたしたとします。患者さんには「砂糖です」とは伝えません。「最近開発された、病気を急速に良くする薬で、副作用はありません」とだけ伝えます。
患者さんが心の底から、その薬(本当は砂糖)を「これを飲めば良くなる!」と思い飲むと、病気が回復していく現象です。
思い込み、思考の力が身体の回復力を発揮させるんですね。
例えば、目の前に常温のフライパンを持ってきて、「これは200℃に熱しられたフライパンで、触れるとやけどします」と催眠をかけたとします。催眠をかけられた人は、そのフライパンに触れるとやけどをします。
本当に、その人の皮膚がやけどをしたような状態になってしまうのです。
これも、思い込み、思考の力が身体に影響を及ぼした例となります。
このように、思い込みや思考の力は、絶大です。
ただし、注意
思い込みや思考の力を使えるようになると、病気からの回復だけではなく、肌の若返りなどのアンチエイジングにも役立ちますが、注意が必要です。
たとえば、急性の病気にかかったとします。
このとき「思い込みを変えればいいんだ」と安直に考え、医学的な治療を受けずに、自分を病気にした原因は何だろうか、自分の考えがいけなかったのだろうかなどと、一人で病気に対する研究に走ることはやめてください。
手遅れになるケースも出てきます。
自分一人で解決しようと懸命になるのではなく、自分の考え方をよく見てみるのと同時に、医療の手も借りてください。時にはカウンセリングなどの力も歩みには必要です。
自分の思い込みは自分では気が付けないことがあります。
特に、今の症状を抱えているままだと、症状に意識が向いてしまい、その症状がない状態や良くなっていく状態に思考を向けられないかもしれません。
今の症状を軽くしつつ、自分の思考も軽い方向を向くことが非常に大切です。
病気がなぜ治るのか
私たちは生まれたときから、ある基本的がプログラムを内蔵しています。
今まで生きてきた人たちなら、必ずそのプログラムを備えています。
それは『自己治癒力』と呼ばれるものです。
風邪にかかったときも、薬は症状を抑えるだけであり、治すのは『自己治癒力』です。ただ、熱が上がりすぎると『自己治癒力』が働きにくくなるので、薬を使う場合もあります。
ガンであるときも、放射線治療・手術・抗がん剤は治すものではありません。治すのは『自己治癒力』です。もともと毎日5000個以上できている体内のがん細胞を、NK細胞をはじめとした免疫細胞が食べてくれているから健康が維持されます。
これは、がん(癌)が見つかったときでも働いている『自己治癒力』です。ただ、『自己治癒力』が働きにくくなっているか、『自己治癒力』が追いつかない環境になっているかのだけですね。
もちろん、ケガの時も、難病の時も、身体の中では治ろうとするこの力が常に働いています。
『自己治癒力』は環境が大切です。そして、使い慣れていることも大切です。
環境と言うのは、身体の状態だけではなく、思考や感情なども含まれます。
環境を整えることは、使い慣れていくことにつながります。
何度も言いますが、『自己治癒力』はものすごい回復の力がありますが、それだけに頼ることはやめてください。
なぜかというと、いままで『自己治癒力』を完全に使いこなすということをしてこなかったからこそ、病気や痛みが出ているということは、「使おう」と思っても、使い方がわからないからです。
使い方に慣れる必要があります。
ここに大木があるとします。
大きな斧でなら倒すことができます。
しかし、今まで小さな斧、いえ、刃物すら扱ってこなかった人が、すぐに大きな斧を使いこなせるようになることはできません。
少しずつ使い方に慣れる必要があります。
巷では、『自己治癒力』を発揮させれば病気は治るから、現代医療よりも『自己治癒力』を高めましょうと言う人がいますが、もうすでに病気になっていたり、症状で苦しんでいたりする『今』であれば、『自己治癒力』の扱いに慣れながらも、医療・治療・カウンセリングなども上手に取り入れてください。
もちろん、間違った医療には注意が必要ですが・・・
エミール・クーエ
1857年~1926年に生き、今でも多くの人に、健康(を含み、人生)に影響を及ぼしている人物がいます。
エミール・クーエという人です。
エミール・クーエはフランスの薬剤師として活躍していましたが、ある時から暗示に興味を持ち、暗示により病院では治らない症状をどんどん治すようになりました。
エミール・クーエは、1882年から1910年まで薬局を経営していました。
そこで、興味深い経験をしていました。
患者に薬の効果を丁寧に説明して、効能のすばらしさを言いながら手渡した場合と、無言で手渡した場合とでは、薬の効能が著しく異なっていたのです。
最初に説明した『プラシーボ効果』ですね。
その時代は、まだプラシーボ効果という概念はありませんでした。
そのような経験をするにしたがって、エミール・クーエは思いました。
「あれ?思い込みってすごいんじゃね?」
と。
そこで、クリニックを無料で開設しました。
ナンシー応用心理学研究所です。
そこではクーエ式自己暗示法により、多くの患者が回復に向かいました。
その治癒率は、93%と驚異的なものでした。
そのような治癒力は、あなたの中にもあるものなのです。
自己暗示については、後述しますね。
不治の意味
不治とは英語でincurableと書きます。
inは中・内側を指す言葉ですね。
curableは治すことができるという意味。
つまり、「内側から治す」と言うことになります。
内側と言うのは、身体の内側でもあり、もっと根源的な内側になる思考や感情と言うことになります。
また、『不治』は「治る」を「否定」している言葉です。
この『不』という言葉の在り方は、『不戦』という言葉をイメージするとわかりやすいかもしれません。
『不戦』というのは、「戦う力はあるけど、今は戦わない」と言うことです。不戦勝なら、「戦わないで勝った」という意味ですが、そもそも(勝つか負けるかはわからないけど)「戦う力を備えていたけど、戦にならなかった」という意味です。
ということは、『不治』と言うのは、「治る力があるけど、今は発揮できていない」という意味にとることができます。
言い換えれば、「このまま今までと同じ生き方(思考・感情・身体の使い方)をしていたら治りませんよ」と言うものです。
だから、どこかを変えなければいけません。
どこを?
それは、思考・感情・身体すべてをです。
どの方向に?
それは、快適な方向にです!
笑いの効果
1955年、日本医科大学付属病院で行われた実験があります。
慢性関節リウマチは気分の良いときは痛みが軽く、気分が悪いときは痛みが強く出るという特徴があることから、落語を聞いてもらい笑った後に痛みはどう変化するのかということを血液データから客観的に観察するという実験でした。
落語家の林家木久蔵さんが呼ばれ、重症度が中ないし高度と認定され鎮痛剤やステロイド剤などを常用していた患者さんを対象として行われました。
結果、炎症の程度を示す物質が約85%の参加者で減少が確認され、中には正常値の10倍もあった値が正常値まで改善された例も確認されました。
他に、1991年、吉本興業の「なんばグランド花月」では、がん患者さんに漫才や喜劇を鑑賞してもらい、その前後で血液採取を行い免疫の度合いがどのように変化したのかを調べた実験もあります。
癌細胞はNK細胞が日々食べてくれているわけですが、NK細胞の活性度が低すぎるとがん細胞に太刀打ちできないが、NK細胞の活性度が高すぎると自分自身を攻撃してリウマチや膠原病といった自己免疫疾患の原因になることが知られています。
吉本での3時間の実験結果は、NK細胞の活性度が高すぎた人は基準値方向へ、低すぎる人も基準値方向へ移行する傾向があることが確認されました。
ここで思考の原則を考えます
思考には以下の二つの原則があります。
- 人は一度に二つのことを考えられない
- 心に充満する思い込みは本人にとって現実になる
人は、同時に複数個のものを重ねて考えることができません。
たとえば、「お腹が痛い」と考えながら『同時に』、「今日の晩御飯は何かな」と考えることはできません。
できるという方もいるかもしれませんが、できません。
「お腹が痛い」と考えた同時刻に「今日の晩御飯は何かな」と考えることができないのです。
思考は言葉と解釈することができます。
口で「お腹が痛い」と言いながら、同時に「今日の晩御飯は何かな」とは言えませんよね。
同様に「お腹が痛い」と考えながら、「身体がラクだ」と考えることはできません。
反対にしてみますね。
「身体がラクだ」と考えながら「お腹が痛い」と考えることはできないのです。
また、心に充満する思い込みはその人にとっては現実になります。
たとえば、「私は膝が痛い」と本当に思い込んでしまうと、たとえ膝をケガしていなくても膝が痛くなってきます。
膝が正常でも膝が痛くなってくるので、「ほら、私は膝が痛い」となり、余計に思い込みを強めます。
反対に、レントゲンで膝に負傷箇所が見られたとしても、「私の膝は良くなっている」「日に日に良くなっている」と本当に思い込んでしまえば、良くなっていきます。
結果的に、レントゲンでの負傷箇所は変わらなくても、何の苦も無く膝が動くようになる方もいます。
したがってやることは…
さて、ここまで病気と思考などの関係性についてお伝えしてきましたが、やることは明確になってきたと思います。
やることは、大きく分けて三つです。
- 身体へのアプローチ
- 思考へのアプローチ
- 感情へのアプローチ
今、がんや難病、原因不明の腰痛や頭痛、パーキンソン病や線維筋痛症、潰瘍性大腸炎やクローン病、そのほかの難病や病気で苦しんでいたとしても、これらの三つのアプローチを行うようにしてください。
身体へのアプローチ
※私は医師ではありませんので、病院外で出来ることを提案させていただきますね。
- 身体を整える
リラクゼーションもいいですが、強揉みはご法度で身体にとっては害になることが多いので辞めてください。
また、治療院の中には腰骨や首の骨をボキバキするところもありますが、それも意味がないですし、危険性がありますので、やめてください。ボキバキしなくても身体は整います。
- 適度に身体を動かす
できる範囲で構いません。
筋トレ、室内バイク、ヨガ、ジョギング・・・なんでもいいので、適度な運動を習慣にしてください(習慣化については、いずれお伝えします)
- 腹六分目(~腹八分目)
食べすぎは胃腸に負担をかけてしまいます。
胃腸が元気だと、脳も身体も元気になりやすいです。
- 食事は食べたいものを
肉食はダメだとか、生野菜はダメだとか言う方がいますが、ダメだと思いながら食べることが一番身体に悪い影響があります。
現に、徹底したマクロビをやっている人の中には不健康な方もいます(マクロビが悪いということではなく、食事が苦痛になっているだけですが)。
偏食にならなければ、「いただきます」と感謝しながら『味』を十分に味わってゆっくり食べてください。
- 良く寝る
大切なのは、夜に横になっている時間です。
「眠れない」と言うことをストレスに感じている方もいますが、眠れなくても構いません。横になっていてください。「夜は横になる」が大切です。
個人差はありますが、もし何かの病気で苦しんでいるのであれば、7時間くらいは横になっていてほしいです。
夏の時間はどうしても日の出が早いため、明るさで目覚めてしまうという方は、夜に早く布団に横になるようにしてください。
身体のために時間を使ってあげるということも、必要な時がありますよ。
思考へのアプローチ
良い方向を考えれば良い方向に進み、悪い方向を考えれば悪い方向に進みやすくなります。
思考は言葉です。
頭の中の会話と言ってもいいですね。
自分が使う言葉、言う言葉、考える言葉を変えてみましょう。
考える言葉は数日で変わることはありません。
それでも、「いつかは変わるだろう」と軽い気分で変えていくことが大切です。
毎日、「頭が固い」と口に出して言っていたり、意識していたりすると、「身体さん、あなたは頭が固くなってね」と身体に要求しているのと同じことです。
毎日、「私の病気は良くならない」と口に出して言っていたり、何度も何度も頭の中で繰り返し唱えていたら、「身体さん、わかっているわよね、この病気、良くしないでよ、良くならないようにお願いね」と要求しているのと同じです。
「一度に二つのことは考えられない」
「人は、考えた方を信じやすく、思い込みやすい」
そのため、自分がどのような状況になりたいのかを明確にしましょう。
「病気が良くなりたい」ではなく「病気が良くなった状態」はどのような状態ですか?
頭痛の場合なら
「日に日に頭痛がラクになってきた」でもいいですが
「日に日に、頭がラクになってきた」
「日に日に、身体が良くなってきた」
の方が、頭痛を考えなくてすむかもしれませんね。
「がんが治ってきた」だと指標がありません。
ガンが良くなった状態はどんな状態ですか?
「日に日に、身体が軽くなっている」
「日に日に、食欲がわいてきている」
「日に日に、楽しいことばかりに目が行くようになっている」
こう考えてみると、がんに焦点を当てずに楽しい気分になっていくのではないでしょうか。
ポイントは、自分が向きたい方向の言葉を使うということです。
そして、思考へ言葉を入れやすい時間帯があります。
起床直後と就寝直前です。
起床直後と就寝直前に、言葉を自分に語り掛けてあげてください。
たとえば、「私は日に日に体調が良くなっている、すべてに感謝しているわ、身体さん、ありがとう」などのような言葉を20回ほど言葉に出して言ってあげましょう。
そこには頑張りとか懸命さとか必死さとかいりません。
ラクな気持ちで、ただ感謝を込めて、自分の身体を愛しながら語り掛けてあげてください。
感情へのアプローチ
笑いの効果からもわかると思いますが、楽しい気分や良い気分でいることが、身体の回復には欠かせません。
ただ、注意してほしいのは、ネガティブ感情を否定してポジティブ感情でいましょうねという話ではないということです。
悲しいときは泣いた方が免疫が上がります。
そして、ネガティブ感情は出てきたときに押さえつけて蓋をすると、もっと増幅してそのうちストレスになってあふれだしてしまいます。
ポジティブ思考がはやりだしてからウツ患者が増えたように、ネガティブ感情を悪者としてとらえると、しっぺ返しを食らいます。
ちなみに、鬱の人に「頑張れ」と言うと逆効果ですのでやめてくださいね♪
ネガティブ感情が出てきたときは、ひとまずそのネガティブ感情を味わってください。
味わいつくしたら、今度は自分がちょっとだけほっとすることとか、ちょっとだけ気分がいいことをしてください。
私の場合は、
youtubeで犬の動画を見ること
薪が燃えている動画を見ること
朝のジョギング(汗が気持ちいい)
自転車(ママチャリですが)に乗っての散歩
空を見ること
お出かけすること(街はストレスになるので、森林浴)
温泉に入ること
などです。
この、ちょっといい気分になるというところがものすごく大切です。
ちょっといい気分になっているときに、思考でお伝えしたことをやっても構いません。
無理やりポジティブになろうとする必要はありませんし、無理やり頑張ってポジティブになることもおすすめしません。
頑張っている時点で、それはネガティブですから。
世の中には「モチベーションを上げようぜ!」という講座などがたくさんありますが、そもそもモチベーションを上げないとできないことなんて、本人にとっては嫌なことなんです。嫌なことをさせるためにモチベーションを上げさせるだけです。
それを繰り返してきたから、病気になったり、どこかに痛みを感じるようになったりしてしまったのです。
だから、ラクで構いません。
ラクでいいから、ほっとしたり、ちょっとだけいい気分になったり、そういう自分だけの空間に身を置いてください。
こうやって、身体・思考・感情に良いことを一つひとつ増やしていってみてくださいね。
その他、こんなこともいいですね
- たくさんなくこと
- たくさん笑うこと
- 人に話を聞いてもらうこと
- 好きなジャンルのボランティアをやること
- お化粧をすること
- 楽しい歌を大声で歌うこと
- 静かな環境で祈ること
- 表情をたくさん動かすこと
- ニュースや新聞を見ないこと
- (動物好きなら)動物に触れること
- 深呼吸をゆっくりすること
- ラジオ体操を習慣にすること
- 新しい習い事を始めること
読んでいただき、ありがとうございます☆☆☆