パーキンソン病の症状に打ち勝った男のお話し

その男性の名前は、ジョン・ペッパー。

 

ペッパーは30代でパーキンソン病を発症。

 

30代でパーキンソン病を発症してから、徐々に歩くことも大変な状態になってきました。

 

 

薬を飲んでも一向に改善しないことから、本人は運動(歩くこと)で改善しないか試行錯誤するようになり、結果的に意識的なトレーニングにより歩行がスムーズに改善していきました。

 

 

 

もちろん、改善と言ってもパーキンソン病が治ったわけではありませんが、今まで歩けなかった身体が難なく歩けるようになった事実は、今パーキンソン病で苦しんでいる方にとって大きな励みになるのではないでしょうか。

 

 

 

ジョンはこう考えたのです。

 

 

パーキンソン病は、無意識な状態で機能する神経回路(神経の使い方)に異常があるのではないか。

 

 

言い換えれば、パーキンソン病の運動障害は、無意識がコントロールする部分で起きていると考えました。

 

 

歩くという行為は、そのほとんどの行為が無意識で行います。

 

地面の足の着き方

足を上げるときの体重移動

足を上げている角度(高さ)

足を前に出す力の入れ具合

 

など、一連の動作をほぼ無意識の行っています。

 

 

 

パーキンソン病ではこの無意識の筋力制御が上手く行かないため、動きがぎこちなくなってしまう。と考えたのでした。

 

 

 

 

そのため、ペッパーは今まで無意識に行っていた動作(ここでは歩行)を徹底的に意識的に行うことにしました。

 

 

歩くという動作を分析しながら、自分の体(筋肉の使い方)のコントロールを徹底的に意識することで、パーキンソン病の症状を抑えることが可能になりました。

 

 

 

ペッパーが行った『歩行』に関するプログラムは以下のとおりです。

 

複雑なものはありません。

 

 

 

あなたがパーキンソン病であっても、歩行できるのであれば、以下のプログラムを参考にしてください。

 

もし、歩行が出来ないレベルであれば、まずは意識して足を動かすということから始めてください。座位でも構いません。座位になれない方は仰向けでも構いません。とにかく意識して足を動かします。

 

ここでの「意識した」というのは、単に足を動かすのではなく、足をどのくらい動かすのか、足の動かし方はどうか、など事細かに足の状態をイメージ・コントロールしながら動かすことを意味します。

 

 

 

さて、ペッパーが行った『歩行』プログラムは以下になります。

 

 

  1. 初めは週に3回、けが防止のストレッチを10分間実施した後、学校の運動場を10分間歩く
  2. 2週間ごとに5分間ずつ歩行時間を延ばす
  3. 4kmを歩けるようになると、時間の短縮に挑む(ここからが早歩き)
  4. 可能であれば、2週間ごとに1㎞ずつ距離を延ばす
  5. 歩行距離が8㎞に達したら、時間短縮に挑む

 

 

 

 

ここでのポイントは、最初は徹底して『歩く』動作を意識しながら歩きます。

 

そしてある程度歩けるようになったら、徐々にスピードを上げていきます。

 

もちろん、『歩く』動作を意識しながらです。コントロールが習慣化すると、スピードが速くなっても丁寧に歩くことが出来るようになります。

 

 

 

このようにして、ペッパーは歩行困難を克服していきました。

 

 

 

 

これは他の動作に対しても応用可能だと考えています。

 

 

 

たとえば、

 

  • 腕を挙げる動作
  • 発音する動作
  • 起き上がる動作
  • 立ち上がる動作

 

 

今できる動作の中から一つ選んで、それを丁寧に繰り返し行うというモノです。

 

 

 

動きが悪ければ焦りがちになってしまいますが、訓練だと思って焦らずに行っていただけたらと思います。

 

 

 

 

今日はペッパーの話になりました。

 

 

参考になる本を紹介します。

 

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参考になればうれしいです。