· 

脳(大脳・小脳・間脳)と頭痛

 慢性頭痛や脳・神経系の病気の方には、脳について知りたいという方もいらっしゃいます。

 

 ここでは、簡単ではありますが、脳についての説明をさせて頂きます。

 

 脳についてはまだ分かっていないことも多々ありますが、大まかな部分だけ知っていただいて、あとは治療を考えることが大切だと思っています。

 

 それは脳の構造や部位などを詳細に知る事と治療とは別物だからです。

 

 ただ、確実に言えることは脳は速度は遅いですが日々生まれ変わっているので、今、どんな症状であろうと、決して諦めないでくださいね。

大脳

 大脳は大きく分けると次のように分けられます。

 

  • 前頭葉
  • 頭頂葉
  • 側頭葉
  • 後頭葉

 前頭葉は思考や判断、記憶や計算などを司る部分となります。

 その他に喜びや悲しみといった感情もコントロールしています。

 

 前頭葉と認知症はとても関係があります。

 そのため、単純計算や音読などを行っていると、前頭葉の循環が良くなるので、認知症の症状が緩和する場合もあります。

 

 また、前頭葉には運動中枢もあるので、身体全般的な運動の『指令』を出すところだと思ってください。

 

 

 頭頂葉は感覚中枢が存在するところです。

 身体中の感覚が末端から脳に上がってきて、頭頂葉で『認知』します。

 

 末端や途中の神経が圧迫されて感覚麻痺や鈍麻が起きることもありますが、頭頂葉に障害を受けた時も感覚に不調をきたします。

 

 

 側頭葉は音や情緒と関係するところです。

 

 耳から入った音は側頭葉に伝わって『音』として感知れます。鈴虫の音や風の音などを意識して聴くことで、側頭葉の循環を高める作用があります。

 

 

 そして、最後に後頭葉についてです。

 

 後頭葉は主に視覚を司る部分となります。

 後頭葉に障害を受けたり、後頭骨の動きが悪くなっても視覚不調がでたりします。

大脳は人体の総司令室

 つまり、大脳は人体の総司令室となります。

 

 色々な所に命令を送る最初の部分です。

 ここが障害されると、命令を送ることが出来なくなるため、身体が動かなくなったり、情緒不安定になります。

 

 また、感覚を感じて統合する場所でもあるので、脳挫傷・脳出血などで高次機能障害になると、目の前に人がいるのに輪郭がわかるが目鼻がわからないとか、階段を見ると遠近感が無く壁に見えるとか、動いている車が断続的な動きに見えるなど、さまざまな障害が出る可能性があります。

小脳の働き

 次に小脳の働きについて簡単にですが説明します。

 

 小脳は後頭葉の下、脳幹の後ろ側に位置します。上のイラストでは右下に書いてありますね。

 

 小脳では以下の働きがメインとなります。

 もちろん、その他にもたくさんの働きをしていますが、大脳と同様にすべてが解明されているわけではありません。

 

  • 身体の平衡感覚
  • 大脳からの運動命令を全身に伝える

 身体の平衡感覚、つまりバランスを司ります。

 

 そのため、小脳に障害を受けると真直ぐ歩くことが困難になったり、船酔いのような状態になったりします。

 

 

 また、大脳からの大ざっぱな運動命令(信号)を細かく振り分けて調整して身体の各部に信号を送ります。

 

 たとえば、手の動きなどはものすごく細やかな動きですよね。こういった動きを制御したり、前進の筋肉を協調して動かすようにしています。

脳幹の働き

 脳幹は小脳の前に位置する部分で、『生命の座』ともよばれる、生命にとってはとても大切な部分となります。

 

 脳幹には以下の部分があります。

 

  • 間脳
  • 中脳
  • 延髄

 間脳にある視床は、臭覚以外の感覚神経の通り道となっていて、とても大切な部分です。

 

 そして、視床の下にある視床下部は、自律神経のコントロールをしたり、ホルモン分泌のコントロールをする部分となります。

 

 ここに障害が起きると、身体のいたるところでホルモン異常が起きたりします。

 

 

 その他に、脳幹では、呼吸や心臓の活動、体温調整といった、人(生命)が生きていくうえで基本的な重要部分をコントロールしています。

 

 ですので、プロレスで延髄蹴りなどがありますが、この脳幹部分を損傷すると、それだけで命の危険に遭遇してしまいます。ご注意くださいね。

頭痛について

 脳でもっともイメージしやすい症状としては『頭痛』があります。

 

 ここでは、頭痛について少しお話しますね。

 頭痛は大きく分けると以下のように分類されます。このほかに分類するとしたら、『群発(性)頭痛』が含まれます。ただ、『群発頭痛』は広い意味では筋収縮性慢性頭痛に入れられることがありますので、そちらに含めて考えて頂けたらと思います。

 

  • 偏頭痛
  • 筋収縮性慢性頭痛
  • ウイルス性の風邪による頭痛
  • 脳の病気による頭痛
  • その他

 

 片頭痛はもっとも一般的に診断される頭痛です。

 ひどい場合はめまいや吐き気などの症状も併発しますが、数時間で治まります。

 

 

 筋収縮性慢性頭痛は、精神的な緊張や身体的な過労などが原因で、全身または首から上の筋肉の緊張が続くことで起きる慢性頭痛となります。

 

 この中に群発頭痛なども含まれる場合があります。

 

 群発頭痛は季節のある時期になると何日も強い頭痛が続く症状がみられます。頭痛薬もほとんど効かないという患者さんがたくさんいます。

 

 当院では、群発性頭痛は下の「その他」に含まれるものと考えています。筋収縮性慢性頭痛も同じように考えています。

 

 身体や首を整えると、痛みが軽減する方が多いからです。

 

 

 ウイルス性の風邪による頭痛は、ウイルスによって髄膜などに炎症が起きた時に起きる頭痛となります。これは炎症が治まってくると自然と頭痛も楽になってくるものがほとんどです。

 

 

 また、脳の病気による頭痛の原因としては、脳出血、脳腫瘍、脳炎、脳動脈りゅう(動脈瘤)破裂などがあります。

 

 このほとんどは、強烈な痛みや強い痛みが症状として在ります。

 

 まずは、我慢せずに病院の検査を受けるようにしてください。

 

 検査をしても原因が分からなない場合は、身体や首(頚椎)、頭蓋骨などの構造的な問題から来ている場合がありますので、身体全体を整えるようにしてください。

その他の頭痛

 その他の頭痛として考えられるのは、循環不良による頭痛となります。

 

 循環不良の原因として挙げられるのが骨格の歪みです。

 

 頚椎の歪み、頭蓋骨の歪み、背骨(胸椎・腰椎)の歪み(ここではロックして動けなくなっている状態)、骨盤の歪み、足根骨の位置異常とゆらぎ(動き)の取れない状態。

 

 もちろん、歪みすべてが悪いというわけではありません。

 『不必要な歪み』が原因となるだけです。

 

 

 特に、私が重要視しているのが、足根骨の位置異常とゆらぎ(動き)の取れない状態、背骨(腰椎・胸椎・頚椎)の可動域制限、頭蓋骨の動きの制限です。

 

 これらを調整していくことで、骨についている筋肉も不要な緊張をしなくなり、その場で筋肉の緊張が軽減していきます。

 

 それに伴って、頭痛が楽になって行く方が多くいらっしゃいます。

私も驚いた症例

 2年ほど頭痛がおさまらず困っているという方が来院した時のことです。

 

 首を確認しましたところ、捻じれがひどく、顔も少し横を向いている状態でした。

 

 特に第1頚椎の捻じれがひどかったので、まずはそこにアプローチして可動域が制限されていた(ブロックがかかって動けなかった)状態をはずして動きをつけてあげました。

 

 そしたら、その時点で2年間悩み苦しんでいた頭痛がほとんど無くなりました。

 

 後は身体全体をきちんと整えさせていただき、治療が終わりました。

 

 それ以来、その方は頭痛が出ないと喜んでおられます。

 頭痛が辛い時、まずは病院で緊急の状態(たとえば脳出血や脳動脈瘤破裂)などがあるかどうか検査をお勧めいたします。

 

 もし、原因が分からない場合、または原因が「筋肉の緊張から来るものですね」と言われた場合、その他に女性に多いですがホルモンのバランスが崩れているための頭痛の場合、身体全体を整えることをおすすめいたします。

 

 

 頭痛薬で一生懸命に生活をされている方がおりますが、頭痛薬では問題を分からなくすることはできても、解決することはできません。

 

 そのうち頭痛薬でも効かない状態になったら大変です。

 

 

 身体は全部の器官・細胞で一つの身体です。

 

 身体全体を整えることを行っていただけたらと思います。

 

 もちろん、巷のリラクゼーションや揉み屋さんではなく、きちんと整えてくれるところ、強揉みとかボキバキではなくリラックスしながら整えてくれるところで、整えてもらってくださいませ。

 

 仙台が近ければ、当院も選択肢に入れて頂いても構いません。

 

 

 症状がこれ以上ひどくならないうちに、身体と心をいたわってあげてくださいませ。

 

 ここまで読んでくださり、ありがとうございましたお♪

 

 あなたがいつまでも笑顔で健康で幸せでありますように。。。