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腰椎椎間板ヘルニアは腰痛の原因か?腰椎椎間板ヘルニアを手術しても痛みの症状が変化しないとき、どう考えるのか

腰椎椎間板ヘルニアとは

年齢層は順に、30歳代、20歳代、40歳代、50歳代に多くみられます。

 

注意ですが、ここで「みられる」というのは、

腰痛で外来された方にCTなどの検査をしたらみられたというものです。

「腰痛の原因になっている」とイコールではありません。

と言いますのは、腰痛がない方でもヘルニアがみられることは多くあるからです。

 

男性に多く、軽作業・重労働問わず学生や主婦など全ての職業にみられます。

第4腰椎と第5腰椎の間、第5腰椎と仙骨の間のヘルニアが9割以上と圧倒的に多いです。

これは、その部分に負荷が多くかかりやすいことを示しています

 

腰痛についてはこちらも参考にしてください(←クリック)

しかし、腰部にヘルニアが見られるからといって、

それが腰痛や下肢のしびれの原因になっているかは、

大変疑問視しています。

アメリカのジョージ・ワシントン大学の研究では、以下のことが報告されています。

 

過去に、まったく腰痛を経験したことのない人を、MRI検査において観察した。

その結果、60歳以下の痛みのない人の1/5にヘルニアが認められた。

又、60歳以上では、実に1/3の人に、椎間板ヘルニアの存在が確認された。

腰椎椎間板ヘルニアの原因

脊椎と脊椎の間に、クッションの役割を果たしている椎間板というものがあります。

椎間板は中心に髄核、とその髄核を囲む繊維輪からなります。

 

ヘルニアは繊維輪が傷ついたり、椎間板に過度な力が加わることで、髄核が後(脊髄側)に飛び出ることで起きるとされています。

 

髄核により圧迫を受ける部分が、脊髄や脊髄根となります。

どこを圧迫するかで症状がちがってくるものです。

腰椎椎間板ヘルニアの症状(一般的に考えられているもの)

一回の回復には個人差があります
一回の回復には個人差があります

※当院では症状のすべてがヘルニアによるものとは考えていません。

 

腰、お尻、足にかけてしびれや痛み(坐骨神経痛のような症状)が起こる

痛みや痺れの起きる部分の筋力低下が起こる

くしゃみや咳をしたときに激痛がおこる

状態が悪い場合は、排尿ができなくなる場合(排尿困難)もある

立っているのが困難で、横になっているのが楽

 

これらは、背骨と背骨の間から神経が出ており、

そこがヘルニアで圧迫されることにより起こる症状です。

腰椎椎間板ヘルニアの病院における治療

保存療法

急性期では(発症直後の激痛時)・・・

・安静

・薬(鎮痛剤、筋弛緩剤、ステロイド剤)

・注射(神経硬膜外ブロックや選択的神経ブロック、椎間板内ステロイド注射など)

・コルセット

 

亜急性期・慢性期では(発症直後ではないが、痛みが続いているとき)・・・

・コルセット

・運動療法(ウオーキング、ストレッチ、筋力訓練、水中歩行など)

・物理療法(腰部の牽引療法、温熱療法など)

・鎮痛剤

手術療法

レーザー焼灼法

経皮的髄核摘出術

鏡視下摘出術

Love法

前方摘出術など・・・

私が抱く疑問

ヘルニアは大抵の場合(おそらく9割以上)、自然に吸収されます。

白血球の一種であるマクロファージがヘルニアを食べることが確認されています。

ヘルニアがとても大きな場合であっても、小さくなった例が報告されています。

その他、腰痛がない方でもヘルニアを観察することができます。

 

症状がひどい場合、「安静のため入院しなさい」といわれることがありますが、

それは治療ではないと思っています。

ただ、入院費がかかるだけです。

 

薬は激痛のときの服用は仕方がない場合もあるかもしれませんが、薬を飲んだだけで他の治療ををしないのは、患者さんのことを本当に考えているのかわかりません。

 

結局は自然に治りましょうとしているにすぎませんが、

薬が入ることで交感神経が過緊張となり循環が悪くなりますので、

回復が遅れてしまいます。

ただし、痛みがつらい場合は仕方ないかもしれませんが…胃腸に負担がかかります。

特に牽引を行うところがいまだにありますが、

効果がないばかりか悪化させる原因になることが広く知られています。

 

脊椎の間隔が牽引により広がるか?と言えば、多分広がりません。

「筋肉のストレッチのため」と説明を受ける場合がありますが、筋肉を伸ばすこととヘルニアを治すことは意味が違います。

 

腰椎は牽引をかけたくらいでは間は広がりません。

その他に、筋肉にダメージを与えますし、

筋肉は過度に引っ張られると防衛反応で縮もうとするので、

余計に腰に負担がかかってきます。

石川はりきゅう整骨院ではこう考えます

腰痛で病院に行き、レントゲン(椎間板は写りません)、CTやMRIを撮り「ヘルニアです」「ヘルニアのために腰痛が起きています」と説明されることがありますが、本当でしょうか?

 

コルセットを巻いたり、温熱療法で痛みが和らぐとうことは、その痛みはヘルニアによる痛みではなく、筋肉による痛みなのではないでしょうか。

 

もし本当にヘルニアが何かの悪さをしているとしたら、運動麻痺や知覚異常がでると考えられます。

 

運動麻痺・・・足が動かない

知覚異常・・・足の感覚がない

 

これらが起きていないのに、腰痛の原因がヘルニアによると断定するのは適切なことでしょうか。

 

 

そう、

「椎間板ヘルニアと腰の痛みや足の痺れとはそれほど関係していない」

と考えられるのです。

 

 

腰痛を持っていない人でも、ヘルニアが見つかります。

では、腰痛がある人と無い人では何が違うのか・・・

それは腰の筋肉の硬さのようです。

 

 

硬くなっている筋肉が伸ばされれば、圧迫されていた血管や神経が余計に圧迫されます。

だから、症状が増強されるのです。

 

 

石川はりきゅう整骨院では腰痛に対するヘルニアの位置付けとしてこのように考えています。

 

もちろん、100%ヘルニアによる腰痛を否定するわけではありません。

ヘルニアでも腰痛が出る場合がありますが、ヘルニア以外の原因の方が多いと考えます。

 

 

筋肉を柔らかくすることで、症状が軽減したり消失したりする方もいます。

まずは骨盤を整えて、腰の筋肉をきちんと柔らかくする施術を受けてください。

 

 

また、当院ではコルセット(腰バンド)の巻き方もお教えいたします。

お気軽に「どのように巻くのか」お声をおかけください。

その際に、コルセットを持ってきてくださいますと幸いです。